10数年前、産経新聞の投書欄にケーキ屋さんのご主人の投書が掲載されていました。
はっきりとは覚えていませんが、だいたい以下のような内容でした。
<ある日、幼稚園に通う長女がお父さん(ケーキ屋のご主人)に「お父さんにとって一番大切な人は誰?」と尋ねたそうです。
するとお父さんは、「お店のお客さんだよ。」と答えたそうです。
長女は内心「お前だよ」と言ってくれることを期待していたのではないかとその時お父さんは感じたそうです。
さらに長女は「では、二番目に大切な人は誰?」と聞いてきたので、内心「お前だよ」と言ってくれることを期待しているのだろうと感じつつも、「二番目はお母さんだよ。」と答えたそうです。
長女は淋しそうな目をして、「じゃあ三番目は?」と聞いてきたので、「三番目はお前だよ。」と答えたそうです。
本当はみんな同じように愛しているのだけれど、あえてそのように答えたのだそうです。
長女は、本当はお父さんの愛を独占したかったのだけれど、そのようにさせず、お店のお手伝いをさせてお客さんを愛するように導いたそうです。
その後娘さんは学業にも励み、海外留学を経て多くの人に愛され、立派に成人されたそうです。>
この投書の中でお父さんは見事に、長女がお父さんの愛を独占しようとする動機(自分の方に引っ張る愛=私的な愛)を見抜き、長女に対して本当は「お前が一番大切だよ。」と言ってやりたい思い(お父さんにとっての私的な愛)をぐっとらえて、公的な愛を貫いておられます。
長女にとっては非常に淋しい思いを通過したと思いますが、お店での接客を通して、多くのお客さんからたくさん褒められたのだと思います。
すなわち、引っ張る愛(私的な愛・一方的に愛される)より押し出す愛(公的な愛・自分から人を愛する)を優先して実践した結果、思いがけずお客さんから多くの愛を受け、より次元の高い喜びを感じたのですね。
愛には秩序があって、無条件に愛してはいけない場合もあります。
公的な愛なのか私的な愛なのかを良くわきまえて子供に接しないと本当にわがままに育ってしまいます。
時には引っ張る愛も大切だけれど、どれだけ淋しい思いを通過したとしても、押し出す愛で公的に人を愛することを体験させることが必要ですね。
親にとっては、 「自分の子供を犠牲にしてでも、他の人を愛せるか・・・(公的な愛)」と 「自分の子供を優先して愛して欲しい、愛したい・・・(私的な愛)」との葛藤ですね。
公的概念をもって正しいしつけを行うことによって、初めてわが子を本当の愛(公的愛)で愛せるのでしょうね。
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